調査レポート

第5回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」結果概要

日本生産性本部では、第5回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」を実施し、2014年1月31日に結果概要を発表しました。
本調査は、2009年から毎年実施しているものです。今回の調査結果の主なポイントは次のとおりです。
  • 1.役員、部長(相当職)、課長(相当職)のすべての役職で女性比率が増加し、女性管理職(課長ないし 課長相当職以上)が増加したとする企業も増加している(56.9%)。また、女性社員の活躍を推進す る上での課題としては、前年に続き「女性社員の意識」(80.3%)が最も高い。
  • 2.女性社員が経営幹部層のポストにつくことに対しては、役員クラスまでが43.4%、部長クラスまでが 20.3%となっており、6割以上の企業で期待されている。【今回の調査の新規項目】
  • 3.女性の活躍と組織の生産性向上・業績向上との関係性については、8割以上の企業で認識されている。 すでに効果として表れているとする企業は28.6%、数年後には効果が期待できるとする企業は23.4% であり、半数以上の企業が効果を認めている。【今回の調査の新規項目】
  • 4.女性活躍推進の効果についてはすべての項目で増加しているが、中でも「女性社員の仕事意識が高まる」 (60.3%)が最も高い。そのほか、昨年と比べて、「ワーク・ライフ・バランスへの取り組みが進 む」「女性社員の離職率が低下する」「すべての社員の就業意欲が高まる」「創造性・革新性のある事 業展開ができる」での増加が目立っている。
  • 5.女性社員の育成への取り組みを管理職の評価項目の対象としている企業は11.1%と昨年より増加してい る。また、女性の管理職や管理職候補の個別育成プランを人事部門で作成している企業は14.5%である。
1.役員、部長(相当職)、課長(相当職)のすべての役職で女性比率が増加し、女性管理職(課長ないし課長相当職以上)が増加したとする企業も増加している(56.9%)。 また、女性社員の活躍を推進する上での課題としては、前年に続き「女性社員の意識」(80.3%)が最も高い。
役職別の女性比率をみると、役員3.0%、部長(相当職)3.9%、課長(相当職)9.6%と、課長以上のすべての役職で、昨年より増加した。
また、3年以内に課長(相当職)になる可能性のある職位の人の割合についても、17.1%と毎年増加している。<表1>
3年前と比較して、課長ないし課長相当職以上の女性については、「かなり増加した」(9.0%)と「やや増加した」(47.9%)とする企業は
昨年より増加しており、両者をあわせると56.9%と半数を超えた。<図1>
図1
女性社員の活躍を推進する上での課題については、「女性社員の意識」(80.3%)が最も高く、次いで「管理職の理解・関心が薄い」(56.9%)、
「育児等家庭的負担に配慮が必要」(56.6%)とする企業が半数を超えた。昨年と比較すると、「女性社員の意識」が増加する一方、
「男性社員の理解・関心が薄い」「経営者の理解・関心が薄い」がそれぞれ減少している。<図2>
男性の上司の女性社員に対する見方については、「昇進や昇格をすることへの意欲が乏しい」(80.3%)とする企業が最も多く、昨年より増加した。
次いで「難しい課題を出すと、敬遠されやすい」(60.1%)となっている。<図3>
図2
図3
2.女性社員が経営幹部層のポストにつくことに対しては、役員クラスまでが43.4%、部長クラスまでが20.3%となっており、6割以上の企業で期待されている。【今回の調査の新規項目】
女性社員がつくポストとして、役員クラスまで期待しているとする企業は43.4%、部長クラスまでは期待しているとする企業は20.3%となっている。 一方、管理職以上のポストは期待していないとする企業は8.3%にとどまっている。<図4>
図4
経営トップないし役員と、女性コア人材との直接対話の場を設けているとする企業は51.7%と半数を超えている。
そのうち、対話方法として「必要に応じて直接対話をする場を設けている」(31.4%)が最も多い。<図5>
図5
3.女性の活躍と組織の生産性向上・業績向上との関係性については、8割以上の企業で認識されている。すでに効果として表れているとする企業は28.6%、数年後には効果が期待できるとする企業は23.4%であり、半数以上の企業が効果を認めている。【今回の調査の新規項目】
女性の活躍が組織の生産性向上・業績向上につながることへの認識については、「認識されており、効果として表れている」(28.6%)、 「認識されており、数年後には効果が期待できる」(23.4%)と、半数以上の企業で効果が認められている。
また、「認識されているが、効果は把握できていない」(33.8%)とする企業をあわせると、8割以上(85.8%)の企業で認識されている。
<図6>
図6
女性社員の行動に表れている変化を3年前と比較すると、「仕事のレベルが上がったり、仕事の範囲が広がった女性が増えた」(61.4%)とする企業 が最も多く、昨年より増加している。次いで「責任の重い仕事・リスクのある仕事を受け入れる女性が増えた」(35.2%)となっているが、昨年とほ ぼ同程度である。これら以外で昨年より増加したものは、「社内外の研修等に参加する女性が増えた」(25.5%)、「管理職を目指す女性が増えた」 (21.7%)である。<図7>
図7
4.女性活躍推進の効果についてはすべての項目で増加しているが、中でも「女性社員の仕事意識が高まる」(60.3%)が最も高い。そのほか、昨年と比べて、「ワーク・ライフ・バランスへの取り組みが進む」「女性社員の離職率が低下する」「すべての社員の就業意欲が高まる」「創造性・革新性のある事業展開ができる」での増加が目立っている。
女性社員の活躍推進の効果としては、「女性社員の仕事意識が高まる」(60.3%)が最も高く、次いで「ワーク・ライフ・バランスへの取り組みが進 む」(59.0%)、「優秀な人材を採用できる」(58.3%)、「女性社員の離職率が低下する」(55.9%)となっている。<図8>
昨年と比べてすべての項目で増加しているが、順位が上がったものとしては、「ワーク・ライフ・バランスへの取り組みが進む」「女性社員の離職率 が低下する」「すべての社員の就業意欲が高まる」「創造性・革新性のある事業展開ができる」などが目立っている。<図8>
また、2年前と比較して大幅に増加したものとしては、「男性社員によい意味での刺激を与える」(53.8%)、「組織の透明性や倫理感が高まる」 (41.0%)などがある。<図8>
図8
女性社員の活躍推進の取り組みで効果のあるものとしては、採用拡大では「非正社員から正社員への転換・登用」(66.2%)、「女性社員の中途採用 (管理職以外)」(56.9%)、職域拡大・育成では「女性社員への教育・研修参加機会の拡大」(57.6%)、「育成を念頭にいれた計画的な配置・転換」 (54.1%)、職場環境風土改革では「両立支援のための福利厚生制度の充実」(61.0%)、「ハラスメント対策のための研修実施」(57.6%)が半数 を超えた。<図9>
図9
5.女性社員の育成への取り組みを管理職の評価項目の対象としている企業は11.1%と昨年より増加している。また、女性の管理職や管理職候補の個別育成プランを人事部門で作成している企業は14.5%である。
女性社員の育成への取り組みを管理職の評価項目の対象としている企業は11.1%と昨年より増加している。また、今後対象とすることを検討・予定し ているとする企業が22.4%と増えている。<図10>
図10
女性の管理職や管理職候補の個別育成プランを人事部門で作成しているとする企業は14.5%、作成していないが、今後検討したいとする企業は35.2% である。<図11>
図11
コア人材として成長していくうえで、女性社員に高めてほしい能力は、「リーダーシップ力・指導力」(62.1%)、「目標を設定し実現する行動力・ 変革力」(47.2%)、「仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力」(30.0%)が高い。<図12>
図12

調査の概要

(1)調査目的:コア人材として活躍できる女性社員の層の厚みを増していくことが企業の経営戦略として重要である。
  本調査は、コア人材としての女性社員育成への取り組み状況や効果的な施策を明らかにし、
  女性社員育成への取り組みを一層推進していくために実施する。
  ※本調査では、コア人材を「課長(相当職)以上」と考えている。
  (相当職には、企業の組織系列の各部署において、専任職、スタッフ管理職等と呼ばれている役職を含む)

(2)調査対象:上場・非上場企業 2,300社 (人事担当責任者、または、ダイバーシティ推進責任者)

(3)回収数  :290社 (12.6%)

(4)実施時期:2013年10~12月 (アンケート調査票郵送、郵送回収)

日本生産性本部